歯科処置って。。。?

歯科処置。

患者さんからは、歯石とりって言われることが多いのです。

間違ってない。。。

でも、でもね、なのです。

 

確かに、歯石は取ります。つるつるのきれいに仕上げます。

でも、動物病院では、歯石とりと並んで(もしくはそれ以上に)重要なのが「歯周病の治療」なのです。

いぬねこは、3歳を越えると80%以上が歯周病持ちと言われます。歯周病の治療なしに歯科処置とは言えません。

歯周病の治療だけでなく、再発防止も、重要と考えています。

*その子の年齢や体調、ライフスタイルを踏まえて、考えられる最善を提案・実行しています。

*シニアわんこにゃんこも、事前の健康診断を受けていただいて、体調に合わせた歯科処置を行なっています。

 

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ル・ル・ル動物病院では、こんなデンタルユニットを使っています。
動物病院用としては、力の入った仕様になっています。

 


右から、超音波スケーラーの他、ポリッシング用低速ハンドピース、歯を分割したりするドリル用の高速ハンドピース(エアータービン)、水・エアーを、それぞれもしくは同時に噴射する 3wayシリンジ、バキュームの、5つのユニットが付いています。

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肝心の、歯科処置の内容なのですが、

ル・ル・ル動物病院の歯科処置は、

歯石除去

歯周ポケットの処置(ルートプレーニング、半導体レーザーでの処置・殺菌)
必要であれば、歯科専用の抗生物質を注入します。

歯の表面のポリッシング(荒研磨、細研磨)
犬猫の歯のエナメル質は、人より薄くてデリケートなのです。。

・(必要であれば)抜歯

抜歯の際に、ドリルを使用することがあります。その場合は、歯槽骨の処置も行います。
穴が大きい場合は、専用のプラグを充填します。

・抜歯のあとに必要であれば、縫合
(口のなかの縫合は、溶ける糸を使用していますので、抜糸は必要ありません)

これらを、その子その子の口の状況や体調(年齢)によって、組み合わせて行っています。

 

歯科処置前にこんな口だった子は。。。

こうなりました。

歯石除去とポリッシングをして歯はぴかぴか。

歯石の除去のときに、歯石で支えられていた歯や、ぐらぐらしていた歯は抜歯しました。

そのあとに歯肉炎の処置を行なって、終了です。

わんこにゃんこは、「虫歯」になる子はほとんどいないのです。

 

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わんこにゃんこの口は、「獲物を噛み裂くための口」なので、人が加工しているごはんを食べている子たちは、歯が全くなくても、問題なく暮らせます。

・・・いませんか? 立派な歯があるのに、フードを「飲んじゃう」わんこにゃんこ。
元気いっぱいではないでしょうか。

人間のように、口の中で噛み砕いて、唾液の中の消化酵素と混ぜるという過程が特に必要ないと言われているのです。

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こんな感じで、たくさん歯石が付いている歯は。。

歯石を取ると、歯の根っこが見えてしまっています。(ぐらぐらです)

でも、歯に穴はあいていません。いわゆる「重度の歯周病」が認められただけでした。

 

歯を支えている歯槽骨(しそうこつ)がなくなってしまっても、歯肉がかぶさっていて、わかりにくいことがあります。

そんなときは、圧縮した空気を当てて、歯の根元を確認します。

金属の円筒(3way シリンジ)から圧縮空気がでています(下から)。水をだして、口を洗うこともできます。

 

 

左下の犬歯にポリッシング中(これは細研磨。荒研磨のあとに行います)。つるつる仕上げをしているところです。

 

歯周ポケットが正常より深い場合は、このように(↓)レーザーをあててポケットの中を殺菌したり、ルートプレーニングという、歯と歯肉を再接着させるための処置をしたりします。

 

 

当院では、どこまで・どの程度の処置が必要かどうかは、麻酔をかけて眠っている状態で、詳しくチェックして決めています。

歯科専門の病院では、術前に行うべきと言われているんです。
ただ、どうぶつが起きている状態では痛くてとても見せてくれない子が多いこと、お任せする、とおっしゃってくださる飼い主さんが多いため、このようにしています。

。。。なので、当院では、「どこまで・どの程度の歯科処置を行うか、は、麻酔をかけた状態で最終的な判断を判断している」のです

 

そして、気になるのが歯科処置の費用

こちらは、麻酔薬の種類、麻酔をかけている時間、歯科処置の内容・時間などによって異なります。同じ抜歯でも、歯の形や根っこがどうなっているかによって、かかる時間も費用も異なります。痛い処置であれば、複数の鎮痛剤を組み合わせたりもしますので、そういうことの積み重ねでも費用が変わってきます。

そんなわけで、口の中を見てみても、正確な費用の見積もりができません

歯周病は重度じゃなさそうだな、と、事前に思っていても、寝てもらって精査したら、奥の方の歯がたいへんなことに…! ということも、何度もありました。

こんな状態ですので、お電話でお問い合わせいただいても、なかなか答えにくいのです。

ましてや、診たことがない子の場合は、歯石除去以外に費用がかかる可能性が全くわからないので、歯科処置のときにかかる正確な費用は、わかりません、としか言いようがないのです。(体重によって、麻酔の費用が異なります。また、体調によっては、点滴の時間を延ばしたりもします)

 

*歯石を取ったり磨いたり(抜歯や重度の歯周病の処置以外)ではこのくらいになります、というのは、口の中の様子と体重などによって、だいたいはわかりますので、来院時にお尋ねください。

「歯科処置の基本料金」に、歯石とり、歯周病の処置(ルートプレーニング、レーザー照射)、ポリッシング(研磨)が含まれています。

 

→update(2017.7〜)

実際に、歯周病が軽度な子の場合と、抜歯や縫合、プラグ挿入などのたくさんの処置をした子の場合で、このくらいの費用になりました、というものを作りました。
歯科処置をお悩みの方、ご予約の方は、来院時におっしゃっていただければ見ていただけます。
抜歯の費用も、どの歯なのか、ドリルの使用が必要だったかなどで費用が異なります。また、抜歯のあとに追加の処置が必要な場合もあります。追加の処置があった場合に、どのくらいの費用がかかるのかもわかるかと思います。(実際に歯科処置を受けたあとにお渡しする明細書と同じ体裁で作っています)

 

目安としては、体重10kg未満で、

・歯周病が軽度。抜歯なし。歯科処置は、歯の汚れの除去、歯周ポケットの処置(レーザー含む)、ポリッシング(研磨)。麻酔と静脈点滴、抗生物質(化膿止め)、鎮痛剤の注射、半日入院(夕方18時すぎくらいお迎え)、ノミダニ駆除剤滴下こみ。

この場合、全部で 25,000円前後〜 が目安です。

(事前の検査は含みません)

 

でも、たくさん歯を抜かなければならなかったりすると、抜歯やその穴(抜歯窩)の処置、投薬などで費用がかさみます。。。。

体重が大きいと、麻酔の費用が変わってきます。。。(大きい子は、小さい子よりもたくさんの麻酔薬が必要になるため)。

 

*余談ですが、動物病院は、診療費用について、病院の外から見えるところに掲示したり、料金表などをチラシで配ったりすることは、法律で禁じられています。動物病院が結託してるわけじゃないんですよ〜。。。