その歯石取りは。2

歯が痛い犬

前回、無麻酔での歯石取りについて、
当院が思うところをつらつら書きました。
(主にわんこ向けのおはなしです)

実は以前から、
日本小動物歯科研究会
というところから、
無麻酔下での歯垢・歯石除去についての見解が出されています。

日本小動物歯科研究会は、
「獣医歯科学の知識と技術の啓蒙と向上を目的とし、毎年獣医歯科に関する症例検討会やセミナー、実習を開催して」いる研究会です。(webサイトより)
(私はこの研究会の講義・実習を受講しています)

平たく言って、獣医界の、歯科学の専門家たちの集まりです。
当然、こちらの方が、私の話よりも信憑性が高いわけです。

というわけで、字だらけではありますが、ぜひ、参考までに読んでみてください。(「無麻酔の歯石取り」は、けっこう前から問題視されていて、この記事自体は何年も前から出ていました)

無麻酔下での歯垢・歯石除去のページでは、アメリカ獣医歯科学会の見解も要約・和訳されています。
そこには、「アメリカとカナダでは、獣医師の資格を持たない人が歯科処置を行ったり、監督下で訓練された動物看護士が、獣医のライセンスのない施設で診療行為をすることは、法律で禁じられ、罰則が科せられます」とあります。

(日本は法の整備が遅れているとも言われます……)

(以下は、日本小動物歯科研究会のサイト内の記事です)

●無麻酔下での歯垢・歯石除去

●歯科医師の考え

日本小動物歯科研究会のホームページ

日本で最初に出てきた「無麻酔の歯石取り」を行うところ(東京です)は、webサイトに、「有資格者が行う」とあちこちに書いてあったのですが、「何の資格をもっているか」については、どこにも記載がありませんでした。

なお、獣医師は、国家資格です。
ほかにたくさん動物に関わる資格がありますが、それらはほぼ民間資格で、国が保証するものではありません(民間資格とは、wikiによると、民間団体や個人等が、自由に設定でき、独自の審査基準を設けて任意で与える資格 のことです)。
動物に関わる民間資格の一覧をちょっと見てみましたが、知らないものがいっぱいでした(°_°)

* * *

獣医だからそんなこと言うんじゃないの? という、懐疑的な方には、
(あ、ワタクシ個人的には、なんでもかんでもネットやテレビの情報を鵜呑みにするより、ほんとかな?と思って自分で調べる方がずっといいと思ってます)

こちらは、DSファーマアニマルヘルスという会社のホームページ内の、

犬の歯周病の進行と治療法について

のページをおすすめです(こっちは図もあってわかりやすいです)

DSファーマアニマルヘルスという会社は、
伴侶動物の健康のためにいろいろ記事をだしていて、
(→ペットフルライフのページはこちら。コンテンツ目次な感じです)

そのうちのひとつの、オーラルケアのページのひとつです。

スマートフォンとかの画面じゃ見づらいよー!
ってことでしたら、病院で印刷してお渡ししますので
遠慮なくおっしゃってくださいね。
(プリントアウトした方がわかりやすいと思います)

こちらのページをみていただくと、
歯垢も歯石も、歯周ポケットの中に入ってきている
のが、わかりやすいかと思います。

歯の表面の、見えるところをきれいにしても、
歯周ポケットの中の歯垢や歯石は、こんな感じで残っちゃうのです。

歯垢や歯石が残ったら、
歯周病が進行するだけでなく、
「口が臭いまま」なのではないかとも思います……

歯が痛い犬