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事例紹介

歯がなくなっても。1

モモちゃんの場合。

当院に初めてお越しいただいたときには、歯の数は4本でした。

下の犬歯が 2本と、臼歯が 2本残っていました。

初診のときは、歯のことではなかったのですが、歯石がたくさんついていて、歯も揺れていること、ニオイも強いことで、残っている歯の処置をすることになりました。

モモちゃんは、ポメラニアンの9才の女の子。シニアさんです。

歯科処置では麻酔が必須なので、当院では健康診断を必須としています。

モモちゃんは、血液検査はほぼ異常なし。

胸部のレントゲンや心臓のエコーの検査で、僧帽弁閉鎖不全という、小型犬に多い病気をもっていることがわかりましたが、それが重篤ではないということもわかったため、歯科処置を行いました。

麻酔をかけてからの、歯の写真です。

右側

右側の下顎

左側

左側の下顎

アップにすると、歯と歯肉の間に、膿っぽいものがみえています。

img_0181

歯と歯を支える歯槽骨の間には隙間があって、特に犬歯のところでは、毛と汚れも挟まったりしていました。

歯のぐらつきが大きかったことや、モモちゃんがすでにシニアさんということを踏まえて、4本とも抜歯をしました。

口の汚れやすさは、わんこも個々人(?)によって違います。また、歯が揺れるほど歯周病が進んでから歯磨きしても、わんこにとっては痛いばかりできれいにはならないのです。

右側

左側

歯のぐらつきが強かったため、大きな歯が抜けたあとも、赤みがあるだけで、それほど大きな傷にはなりませんでした。(抜歯のときは、必ず鎮痛剤と抗生剤の投与は行います)

少しずつ出血がありましたが、それも止まったそうです。

ももちゃんは歯がなくなってしまいましたが、いぬやねこは、人が加工した食事(各フードや手作り食など)を食べる分には、歯がどうしても必要、というわけではありません。

人間は、食べたものを噛んで、食べ物を小さくします。それだけでなく、その間に、口の中で、消化酵素を含む唾液と食べ物を混ぜて消化の第一歩がはじまっています。

いぬやねこでは、口は、「獲物をとらえて、食べられるサイズまで噛み切って小さくする」のが大きな働きで、唾液に消化酵素はそれほど含まれていないので、もぐもぐ咀嚼することは、重要なことではありません。

いませんか? ドライフードを「飲む」勢いで食べてしまうわんこにゃんこ。。。

これも、食べ物がスムーズに胃にはいれば、そこでそのまま消化がはじまるので問題がないのです。(でも、大きなドライフードは詰まることがあるので、ちゃんと噛み砕いてくださいー!)

続きます〜。。