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事例紹介

膀胱結石2(結石と結晶

前回は、膀胱の中に、どかん! と出来てしまった結石について紹介しました。

 

ところで、もっとずっと小さい結石の場合、膀胱から転がり落ちて、尿道閉塞を起こすこともあります。

尿道閉塞は、文字通り、尿道が詰まってしまう状態。結石などで詰まってしまうと、わんこがどんなに頑張っても排尿ができません。完全閉塞になってしまうと、命に危険が及びます。(完全閉塞の場合、24時間放っておくと亡くなることがあります

 

結晶などで閉塞を起こすにゃんこに比べて、わんこはもうちょっと尿道が大きいので、結晶だけで詰まることはあまりありません。

ただ、男の子の尿道は長く、途中で曲がったり、陰茎骨という骨が併走したりします。骨の始まりのところで、結石がひっかかってしまうことが多いのです。

メスの場合は、わんこもにゃんこも、尿道が太くて短いので、閉塞のトラブルはオスよりもずっと少なくなります。

1個が5ミリくらいの結石たち。
これが尿道閉塞を起こしました。

小型犬だと、数ミリでも尿道閉塞を起こすことがあります。

尿道口から、尿と一緒に出てしまえばいいのですが、それよりも大きくなってしまうと、やっぱり手術をするしかありません。

膀胱結石手術

尿道も洗いながら、結石を除去します。
(真ん中に見えているのは膀胱)

これは、マルチーズの子でした。

結石が出来やすい体質のようで、検査や管理をしっかり行っていく必要があります。

 

にゃんこの場合。

ねこさんだと、結石よりも、顕微鏡でみなければわからないくらいの小さいサイズの結晶が合体して、尿道の先の方で詰まってしまうことがよくあります(オスねこ、2~3歳くらいから、肥満の子に多いと言われています)。

これは、オスにゃんこの尿道の先が、ぐっと狭くなっているから。

 

顕微鏡で見た、尿中の結晶の写真
ストラバイト結晶

こんな結晶が合体して、見た目にもわかるような「じゃりじゃり」になっていることがあります。

また、結晶自体が見つからなくても「尿栓」と言われるもの(ねばねば、と言いますか。。)で、尿道閉塞が起きていることもあります。

 

どちらにしても、体質が大きいようです。

尿結晶や膀胱結石になりやすい子は、食事などを厳密に管理していく必要があります。「療法食を食べていたら大丈夫」という単純な状態じゃない子もたくさんいます。

 

頻尿や血尿を繰り返す子は、しっかり検査をして、原因を突き止めましょう。

(シニアさんの場合は、腫瘍の可能性も高くなるので、より注意が必要です)

 

気になる子は、ご相談ください。膀胱に結石があるかどうかの検査は、症状がないときでも可能です。