わんこ:フィラリア予防は5月から
すでに蚊が飛んでいるという話を聞きますが、
5月1日にフィラリア予防薬を使うと、
4月に刺されてフィラリアが体内に入ってきていても、
全部おとします。
というのが、フィラリア予防薬の利き方です。
フィラリアに感染する前提でのお薬なのです。
蚊がいても、フィラリアが感染力を持っていないこともあります。
フィラリアに感染する期間の推定には、
HDU (heartworm development heat unit)
という単位を用います。
1日の平均気温などを用いて算出します。
ややこしいですが、これを用いて、
どのくらいの期間、蚊がフィラリアを運んでくるのかを
推定することができるのです。
興味のある方は、HDUに基づいた、
愛媛での感染期間はこちらを参考にしてください。
(DSファーマアニマルヘルス株式会社の、解説ページに接続します)
1997年から2011年の15年間のデータがでます。
共立製薬でのデータを見ると、
この10年くらいでは、
松山の感染開始は最速で5月上旬、
最後は11月中旬のようです。
5月1日に薬を飲まなくても、大丈夫な可能性が高い……
のですが!
HDUって、その年が終わったあとに計算してわかるため、
「今年がどうなのか」はわからないのです。
ややこしい……
温暖化も気になる昨今ですので、
わかりやすさと確実さを兼ねて、
当院では、「5月1日から12月1日まで」の
投薬をお勧めしています。
(毎月1回投薬する薬は、1日がわかりやすいと考えています)
フィラリアが心臓の中で育つと、20cm近くになったりもするので
そんなものが、おうちのわんこのなかで育ってしまうと、
心臓の動きにどれだけ邪魔になってしまうか……
(最近のわんこは小さい子が多いので、余計にそう感じます)
ところで、フィラリア予防薬の投薬前には、
血液検査をして、
フィラリアに感染していないことを確認する必要があります。
フィラリアに感染している子に、予防薬を投薬すると
危険な症状が出ることがあるからです。
(検査結果は5分程度で出ます)
フィラリアの予防薬の主流は、
おいしいもの に、なってきました。
ノミ・マダニ駆除の作用を併せ持つタイプもあります。
わんこやご家族にとって、
使いやすさ、食べやすさ重視か、
費用重視か、
で、選択が変わることもあるかと思います。
どういったものがよいのか、
お気軽にご相談ください。