育毛剤成分にご注意!!
脱毛症の治療などに使われる、
ミノキシジルという成分をご存じでしょうか。
いまや治療薬だけでなく、
市販のものにもたくさん使われていて、
育毛系のシャンプーなどにも含まれているようです。
このミノキシジルという成分が、
犬猫に非常に危険であるという論文が発表されています。
「ちょっと舐めちゃった」とか
「1、2滴かかっちゃった」でも
重度の症状が出ることがあるという内容です。
死亡例も少なからず報告されています。
猫では、中毒症状がでた子たちのうち、
1割以上の子が亡くなっているそうです。
(とても多い! のです)
しかも、
- 飼い主さんの手について、
洗い流したあとを舐めた。 - こぼれた液体が、
乾いたあとを舐めた。 - ミノキシジルを使った飼い主さんの
頭髪や頭皮を舐めた。 - ミノキシジルを使った飼い主さんが
使用した枕に触れた。
なども中毒になる可能性があり、危険であるとされています。
枕も注意!!
なのです。
このように、
成分がついているのかついていないのか
さっぱりわからないような微量でも
中毒症状が出ることがあります。
うちの子が具合が悪くなったあとで思い返して
こんな可能性を思いつけるでしょうか。。
しかも、主に「つける薬」であるため、
いぬねこも、口からの摂取だけでなく、
皮膚からも吸収することもあるようです。
中毒症状は、
ミノキシジルが体に入ってから、
最短1時間、
最長67時間(ほぼ3日後ですね)で、
- 嘔吐
- 流涎(よだれがでる)
のいずれか、もしくは両方、
その後
- 低血圧
- 嗜眠
(刺激にあまり反応しない、
寝ているような状態)
がでたりするそうです。
その他いろいろな症状が観察されています。
起きる可能性がある症状も含めると
- 低血圧
- 肺水腫
- 不整脈
- 頻脈
- 胸水
- 心筋障害
- 心不全
- 低体温
- 高窒素血症
- 痙攣
など、症状は多岐に渡ります。
ミノキシジル自体が、
本来は血圧を下げる薬なので
「くすり」として大きく作用することがある
と考えればわかりやすいでしょうか。
また、ミノキシジル製剤に含まれている別の成分が
神経系の症状を起こす可能性があり、
実際に、こちらの症状が観察された子たちもいるそうです。
摂取したら 100%死んじゃう!
というわけではないのですが、
症状が出たときは、重症になる可能性が高く、
重症になると死んでしまうこともあるものです。
特に冬は、わんこにゃんこがお布団に入ってきて
一緒に寝るようになるおうちも多いと思います。
ミノキシジルが入っているものを使っている飼い主さんは
製剤(シャンプーや育毛剤、その他諸々)が
おうちの子に触れないように厳重に管理するとともに、
一緒に寝るのは控えるように勧められています。
この情報を踏まえると、
育毛剤・育毛シャンプー系を使っている飼い主さんは、
管理をきちんとするとともに、
- 一緒に寝ない
- 枕に近づけない
- なんだったらうちの子を寝室に入れない
- 育毛剤や育毛シャンプーなどを使用したあとの
お風呂場・洗面所に入れない - 使ったあとはきれいに拭いておく
- 使ったタオルは放置せずすぐ洗濯
- 周囲を拭いたものもきちんと始末
を徹底していただきたいと思います。
ミノキシジルの危険性については
まだまだ獣医師の間でも十分には浸透していません。
おうちの方々には、もっと浸透していないと思います。
実は私はミノキシジル自体を知らなかったのです。
家族に聞いてみた感じだと、
たぶん割とメジャーな成分ですよね?
この論文の情報を読んで調べてみて、
ミノキシジルを含んだ製品の多さにびっくりしました。
いわゆる「育毛剤」だけでなく、
スカルプなんちゃらシャンプーとか、
身の回りにありそうな多くの製品に含まれているのですね。
男性用だけでなく、女性用もたくさん。
Amazonでミノキシジル検索をしたら
300以上もヒットしました。
かなり身近にある成分、と思っていただいた方がよいかも。
また、この中毒、
「こうしたら治るよ!」というものではありません。
中毒を起こさないことが、とてもとても重要です!
おうちにある アレ は大丈夫??
成分を確認してみてくださいね。
お心当たりのあるおうちは、ぜひぜひ対策してくださいー!
内容は、わかりやすくするために、
とっても噛み砕いていますので、
正確な情報は論文をご確認くださいねー!