きずあと(避妊手術
避妊手術や去勢手術って、動物病院では、いちばんよく行う手術になります。
(おんなのこの場合は避妊/不妊手術、おとこのこの場合は去勢手術、という言い方をします)
手術そのものや麻酔については、お預かりの時に毎回なるべく詳しくお話しするのです。
先日、「きずってどうなりますか?」と言われて、それについてはあまりお話ししていなかったことに気がつきました。
手術あとの傷については、なかなか撮影しようという発想がなかったので、ほとんど手元に写真がないのですが。。。
発見した一枚(チワワさんの避妊手術)。。
このような感じの傷になります。糸が3つあるのがわかるでしょうか。
中年期以降だったり、過体重(肥満)だったりすると、同じ避妊手術でも、大きめの傷になりやすいです。
卵巣や子宮を取り巻く脂肪が多くなるため、安全な手術のためには視野を確保する(=傷を大きくする)ことになるのです。
また、単純に、からだが大きい子は、臓器も大きくなるので、その分、傷の実寸も大きくなります。
写真がないなぁ、と思っていたころに、抜糸にきた子の写真。
こちらは、生後半年くらいの柴わんこさんです。
抜糸後に「写真を撮らねば!」と思い立ったので、糸を抜いたあとになっていますが。。。
赤い点が4つ、みえるでしょうか。
これが糸を抜いたあとになります。
真ん中にあるはずの傷は、きれいにくっついています(手術から一週間後)。
実は、おとなしく抜糸をさせてくれそうにないかな、という子だったので、1本の糸で4つの穴が残る糸のかけ方をしたのです。(上の方のチワワさんの縫合だと、3回糸を切らなければならないのですが、2糸で4箇所かかる縫合の仕方だと、糸を切るのは 2回なので。。)
でも、とってもお利口に抜糸をさせてくれました。
避妊手術のときに1泊入院して、抜糸まで一週間。間にいちど、傷のチェックに来院していただいていますが、抜糸の時はとても落ち着いてできたのでした。
お利口さんでした!
話はそれましたが、
にゃんこも、避妊手術は同じような感じのきずあとになります。
わんこの去勢手術は、傷がもっと下の方になります(陰嚢より頭よりの皮膚)。
また、にゃんこの去勢手術では、傷口の縫合は行いません。そのままくっついてしまいます。
それらの写真も、撮影したらご紹介しようと思っています。(と書いている今日、早速写真を撮り忘れました。。)
また、皮膚は抜糸が必要な糸(ナイロンなどの溶けない糸)を使用していますが、体の中での縫合や結紮など(糸を使うこと)には、基本的に溶ける糸を使用しています。