爪切り。しています。2

爪切り。

以前、病院でも爪切りをしています、とお知らせしました。

爪切りがおうちでできなくて。。と、非常に恐縮して来院される方もいますが、爪切りをおうちでさせてくれる子たちの方が少ないです。

どうぶつたちにとっての爪切りを想像してみてください。

「なんのためにされるかわからない」
ではないでしょうか。

頑張ってお利口にして爪を切ってもらっても、おいしいわけでも、楽しいわけでもないです。
「わー、ものすごく歩きやすくなりましたー!」って嬉しそうに歩く子がいるわけでもありません。

しかも。

爪切りを持った人間のおとうさんおかあさんって、なんだか真剣な顔です。なんか怖いです。

そして、足先をつかまれるのは、だいたいの子は本能的に苦手です。怖いと感じる子の方が多いです。

しかも、多くのおうちの方は、「爪を切ろうとするときに動いたら危ない」「深爪して血が出たらたいへん」と思っているので、ついつい「うちの子」の足を、がっしり握ります。

 

それもわんこにゃんこからしたら、ただごとではない雰囲気に感じます。

緊張した雰囲気で、足先(特に前足)をつかまれる。。。

これはわんこにゃんこ目線では、多くの子が、恐怖を感じる状態です。

 

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にゃんこは、からだをがっしりつかまえられるのが、本能的に苦手….

 

爪が切れた瞬間の衝撃も、苦手な子が多いです。

小さい爪の子はそれほどでもないかもしれませんが、たとえば、ダックスの子たちは、体はそんなに大きくなくても、けっこうがっしりした爪を持っているので、切った時に「ばっつん」という衝撃が、その子のつま先にあるはずです。

そもそも、爪切り。
自分自身が、だれかにされて、平気でしょうか。理由がはっきりしなくても、なんか怖いって思いませんか?(私はイヤです。。。)

しかも、爪切りの試練を耐えても、わんこにゃんこにとって、なにかいいことが起きるわけじゃありません。

床がちゃかちゃか鳴らなくなっても、わんこ自身にとっては、ちょっと歩きやすくなったかな、くらいです。

にゃんこに至っては、今まで登れたところに登りづらいだけ。。
(外にでる子は、却って危ないので爪を切らないでください。家の中の子は、カーテン登りができないとか、やっぱり不便になるばかり。。)

 

*伸びすぎの爪は、引っ掛けて折ってしまうことがあります。根っこから折れると、大出血することも。。。
*高齢猫さんは、爪の手入れをしなくなってくるので、伸びすぎて一周して、肉球に刺さることがあります。
(2周刺さっていた子も見たことがありますが、そのねこさんはふつうに歩いていました。。けっこうな大怪我です。。)

 

なんのためにされているかわからない爪切りを、わんこにゃんこが、

「いやだ」「怖い」

と思っても、不思議じゃないような気がしませんか。

ちょっとやだ、と思って、足を引こうとすると、おうちのひとに怒られます。

わんこにゃんこにとっては、全然楽しくないです。

たまーに、おうちで切らせてくれる子もいますが、全わんこにゃんこから見たら、その割合はごくわずかです。

「うちの子、家で切れますよ」
と、びっくりされる方もいますが、その場合は、おうちの子をものすごくものすごくホメてあげてください。

いやなことを、ご自宅で無理強いすると、爪切りの道具を見ただけで、もう少し察しのいい子になると、おうちのひとが「爪を切ろうかな」と支度を始めたところで、緊張しはじめます。

そのうえで押さえつけて爪を切られたら、そりゃーもう家庭内恐怖体験です。

そういうこと(=悪役)は、病院におまかせください。

 

家で爪切りできるようにしていきたい場合は、慣らし方や、危なくない爪切りの仕方についてお話ししますので、爪切りのときにお尋ねください。

 

わんこ、にゃんこ、ハムスター、うさぎ、みんな爪切りだけでお越しいただいて大丈夫ですー