フィラリア予防、はじめました?

ドッグランで一緒に走る

フィラリア。

日本語でいうと、犬糸状虫。です。

心臓に寄生する、そうめんのような白く細長い虫です。
20cmとかの長さがあります。

線虫類なのですが、コレ↓よりももっと細〜〜くて長い。。

この子虫(目に見えないサイズ)を持っている蚊に刺されることで感染します。
犬の体内に入った子虫は、犬の体内を巡りながら成長し、
心臓に到達して、居座ってしまいます。

心臓にこんな長い虫が入ることで、機能がおかしくなり、いろいろな症状が出ます。
ひどい咳が出たり、お腹がふくれたりで
すごく痩せているのに、お腹だけがパンパンに腫れてるということになってしまう子もいます(とっても辛そう)。

急性症という状態になると、すぐ死んでしまうこともあります。
助けるために手術をすることもありましたが、
それでも亡くなってしまう子の多い病気です。

昔はわんこも大きい子が多かったので、
この手術をすると、たくさんのフィラリアが取れました。
私が新人の頃(すんごい昔ですが)、
ダルメシアンミックス(体重20キロ超)の男の子の手術で、
いまでいうと500mlのペットボトルにぎゅう詰めになるほど
フィラリアが獲れたこともありました
(この子は生き延びることができました)。

ちなみにこの手術、いま、当院ではできません(特殊な道具などが必要)

こんなイヤーな虫。フィラリア。

最近は罹患率(フィラリアを持っている子の割合)が下がったので、
油断している人も多いかもしれません。

でも、「うちの子」のそばに住んでる子がフィラリアを持っていると、
蚊が運んでくるのです。

わんこがたくさん集まるところに行く子も、そこで刺されると
なんだか心配。。。

最近のわんこは小さい子が多いので、フィラリア1匹でも、
心臓に占める割合は大きくなります。

当院では、過去のデータから、5月から11月末までしっかり予防薬を使えば、
愛媛では感染しないはず、と考えています。
(それでも、投薬前の血液検査は必ずします)

はじめるのが多少遅くなっても、諦めてしまうよりは、
投薬を開始したほうが、予防率はとっても高くなります。

はじめるのが多少遅くなっても、早く終わらせてしまうよりは、
冬のはじめまで投薬していた方が、予防率は高くなるのです。

ちなみに、フィラリアに心臓に到達されてしまうと、
駆虫には危険を伴うので、
(虫を一気に殺すと、血管が詰まって、犬が死んでしまう)、
徐々にやっつける戦略をとります。
 これはまた別のお話で。

そんなこんなですので、まだ予防をはじめてないわんこさんは、
おうちの方に病院に連れていってもらってくださいねー!
(予防期間は、平均気温で変化するので地域によって変わります)

フィラリア予防薬は、当院ではおやつタイプを使用しています。
(わんこに人気があるので、味見本をごほうびにも使っています)
ノミマダニの駆除成分が入っているものもあります。
ノミマダニ駆除剤も、垂らすもの食べるものがあります。
体重によって費用が変わってくるので、
どの組み合わせがいちばんリーズナブルか
などなど、おうちの方とわんこに合わせてご紹介します。

どうしても食べない、粉剤も飲ませられない
(わんこが非協力的)
または、
どうしても月に1回の投薬を忘れる。。
(飼い主さんの記憶力が非協力的)
な場合には、年に1回の注射での予防も可能です。
ご相談ください。

予防できる病気は予防しちゃって、
おうちの子には、元気に長生きしてもらいたいですね。

ドッグランにも安心して行けますね

フィラリア症について、もっと詳しく知りたい方に
こちらのサイト がオススメです。
(フィラリア予防薬などを作っている製薬会社DSファーマによる、
 フィラリア症解説サイトです)