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事例紹介

16才の歯科処置(前編)

ジャッキーさんはミニチュアダックス。
16才のおじいちゃんわんこです。

3月頃から顔が腫れているとのことで、5月に相談に来院されました。

口を覗こうとすると、痛いのか、嫌がってぷいぷい暴れます。
ちらっと見える口の中には歯石もたくさん。
おうちでも、口臭が気になっているとのこと。

歯が痛い犬

歯周病と根尖膿瘍による顔の腫脹が起きているようです。

根本的な解決は、麻酔をかけての歯科処置になります。
これは、歯石の除去だけでなく、歯周ポケットの治療などや、重症であれば抜歯も含みます。

おうちのかたが、ジャッキーさんが可能であれば、
歯科処置を行いたいということで、
「麻酔をかけても大丈夫か」を目的をした検査を行いました。

麻酔の前の検査は、最低限として、身体検査と血液検査を行います。
シニアさんや、短頭種の子、身体検査で必要と判断された子は、胸部のレントゲン検査も必須になります。

採血わんこ

ジャッキーさんは、幸い、検査では麻酔を乗り越えられそう、という判断になりました。

歯科処置の日にちも決め、その日までに口腔の細菌をなるべく減らすために、抗生物質をしっかり飲んでもらいます。

投薬を開始すると、徐々に顔の腫れもなくなり、口臭も減りました。
口臭は、歯垢などの口の中の細菌や、口の中の膿が原因でおきるので、抗生物質でうまく細菌を減らすことに成功しているようでした。

本来であれば、重度の歯周病の子の歯科処置は、
麻酔をかけてから歯のレントゲンを撮ったり
歯周ポケットのチェックと治療をしたりしながら、
どの歯はもう抜かないといけない、
この歯は残しましょうと判断していくやり方をします。
(レントゲン検査による、抜歯をするかしないかの基準があります)

ただ、ジャッキーさんは、もう16才。
麻酔自体もリスクがあります。
また、歯周病が重度の場合、歯科処置を完璧に行おうとすると、非常に時間がかかるのです。

そこで、おうちの方と相談して、
「なるべく時間をかけずに歯科処置をする」という方向性になりました。

明らかに現状でジャッキーさんの痛みや病気の原因となっている歯は抜歯して、
歯石を除去して歯周病の処置も行います。

歯のレントゲン検査を行わないので、
状態の悪い歯が残ってしまう可能性はありますが、
短時間で処置を終わらせることを優先することにしました。
(歯科のレントゲン検査は、
 人間の歯科レントゲンや犬猫の胸部や腹部のレントゲン検査と違って、
 一度に歯を数本ずつ、写真一枚いちまい角度を変えながら撮っていくので、
 時間と手間がかかります。。)

わんこの歯のレントゲンって、こんなのです

ちなみに、元気な若い子たちの避妊・去勢手術はにかかる時間は、
毛刈りや消毒を含めても、30分前後です。
一方で、歯科処置は、歯周病があまりない子でも、小一時間はかかります。
(歯のチェック、歯石除去、歯周ポケットの処置、歯の二重研磨は必ず行います)

話が長くなりました。
実際の歯科処置については次回からお話しします。

→後編はこちら

歯科処置の話は次回なのか。。。