垂らすものも食べるものも(ノミのおはなし。3
前回、ついつい長話をしてしまいました。
要望があるかどうかもわからず、思うがままに書いて続いているノミシリーズ。
今度は、「ノミ駆除薬」などのおはなしです。
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「うちの子についているノミをやっつける」クスリには、垂らすものや食べるタイプのものがあります。
ノミをやっつける薬は、以前は垂らす薬がほとんどでしたが、食べるものも出てきました。
食欲旺盛なわんこのために、フィラリアとノミとおなかの虫も一緒に落とせるおやつタイプの薬も登場してきています。当院でフィラリアの検査をしてる子でしたらすぐお出しできます。ご相談ください。
また、これもわんこ限定ですが、3ヶ月に1回食べるというタイプのものもあります。
動物病院で処方している「ノミやダニの薬」は、駆除剤です。
・ノミやダニなど節足動物は確実にやっつけられるもの
・基本的にその子その子にあわせて、安全なもの・投与しやすいもの
をお出ししています。
それでも、どんな薬にでも、アレルギー(アレルギーの一種に、アナフィラキシーという、死んじゃうこともある状態も含まれます)は起こりえます。また、健康に差し障りがなくても「垂らすクスリを使ったら、つけたところの毛が抜けた」なんてことも起こります(うちのねこも、特定の薬剤で脱毛します)。
「なぜかわからないけど、この薬がこの子には効かないみたい」ということもあります。そのようなときも、従来のくすりから変更したりもしますので、お気軽にお尋ねください。
多数のノミに血を吸われて貧血を起こしている、ということもあります。
(おうちの中の子でも、ノミ寄生による貧血で当院を受診した子がいます)
ノミを駆除するほかに、治療が必要になる場合もあります。ノミを駆除しても調子がいまいちでしたら、病院までお連れください。
そんなこんなですので、当院では、ノミのお薬をお出しするときも、初めての方には、カルテの作成をお願いしています。また、その子のプロフィールをおしらせいただきたいです(動物病院は、「お薬を出す」ので、カルテは必須になります)。
わんこの駆除薬は、体重によってサイズが違いますので、体重がわからないとお出しできません。
なるべく初回はお連れいただいて、一般チェックをさせていただければと思います(ノミ寄生からの貧血を、夏バテだと勘違いされていた子もいました。また、皮膚が弱い子、アレルギーなどの傾向がある子は、必ずノミ駆除するよう指導しています)
一度チェックさせていただいて問題がなければ、次回からは連れてこなくても構いません。
ところで、ノミやダニから、いぬやねこの体に入る寄生虫がいます。
赤血球に寄生して、わんこを殺してしまうこともある病気も、ダニから入り込んできます。
危ないのは人間ばかりではありません。どうぞお気をつけください。
(このお話も、いつか改めてしなくてはー… )
ノミ・ダニ駆除薬も多様化しているため、動物病院によって、取り揃えが違うことがあります。かかりつけの先生に経験によって、「おすすめ」が異なることもあるかなぁと思います。
こだわりの駆除薬がある場合は、動物病院に行く前に、確認のお電話をした方がいいかもしれません。