どうぶつたちも「痛い」んです(手術の鎮痛のおはなし。
ときどき「犬や猫も痛いんですか?」と訊かれる方がいます。
ひとむかし前は「どうぶつは痛みを感じない」などという話もありました。
でも、もちろん、どうぶつたちも痛みを感じます。
手術のあと、人間ほど何日も寝たきりになる子は少ないですが、それでも、やっぱり「痛い」のです。
現在、どうぶつたちの医療の現場では、「手術などは、積極的に痛みをコントロールした方が治癒が早い」というのが常識になっています。どうぶつたちの高度医療センターや大学病院では、「疼痛管理」をしっかり行うのがすっかり当たり前になりました。
また、痛みをコントロールすることで、手術中の麻酔を深くしすぎない、という麻酔管理も重要なことなのです。
当院でも、手術の内容や、その子の健康状態(性格も。。)を考慮して、鎮痛剤や麻酔薬をそれぞれの子に合わせて選択しています。(作用の異なる薬を組み合わせることも重要になってきます)
避妊手術や去勢手術をはじめとした手術では、さいごに傷を閉じる際に、「長時間型局所麻酔薬」というものを投与して、傷の痛みを抑えています。
「手術や処置を受ける」ことが決まったら、「安全」なのはもちろん、わんこにゃんこたちにとって、なるべく苦痛が少ないことも重要なことだと考えています。
手術や処置を受ける子たちが、元気に、そしてできるだけ楽に、その手術や処置を乗り越えてくれるように。。。
傷の保護のために、こんな感じのお洋服(?)を着てもらうこともあります。
*手術中は、生体モニターを使用して、心拍数、血圧、体温、呼気二酸化炭素濃度、血中酸素飽和度などの監視を行っています。