口のなか、覗いていますか?(1)
犬猫のお話です。
わんこにゃんこたち、この 20年近くで、ものすごく平均寿命が延びてきました。
生活もずいぶん変わってきました。
そんななかで、病気と言い切れない部分で、わんこにゃんこの「おいしい楽しい生活」を脅かすひとつに、「口の問題」があります。
口のなかの環境が人間とは違うので、「虫歯」はものすごく少ないのです。
でも、その分多いのが「歯周病」
ひとでは 30歳を過ぎたら 80%が歯周病と言われます。
一方で、わんこにゃんこたちは、「3歳を過ぎたら 80%が歯周病」と言われています。
犬猫は、ふだん、歯磨きを(自分では全く)しない分、歯石が大量についている子はものすごい!
歯の表面が全く見えないほど歯石がついていることもあるのです。
口の中がそういう状態でも、特にわんこは、「よく食べてるよー」という子も少なくありません。
口の中を見る習慣がないと、飼い主さんから見ると、「そういえば、うちの子、ちょっと口がクサイ 。。。 かな??」
とか。
その程度のことも多いのです。
実際に、そういう子で、口の中を診て、処置をしてみると「ものすごい!」子がいましたのでご紹介します。
ご紹介するのはわんこさん。
当時、8歳。ダックスの男の子です。
処置をしたのは数年前。私が世田谷で勤務していた頃なのですが、飼い主さん(私の高校時代の同級生です。もちろん松山出身)から了承を得たので、紹介させていただきます。
「シャンプーしてもらったら、口がクサイって言われた」ということでの来院でした。
事前のチェックで、歯石の付着の程度や、歯肉炎が激しいということがわかりました。
血液検査などでも大きな問題がなかったので、麻酔をして(痛くない・怖くない状態で)、しっかりキレイにしましょう、ということになりました。
歯科処置当日の写真です↓

ケージの中のルカさん
このルカさんも、おうちでは、「ごはんをよく食べてるよー」とのことだったのです。
実際、顔も腫れていないし、ぱっと見はとっても元気そう。。。(そしてかわいい!)
(つづく)
余談:
当日、麻酔の事前から点滴のためカラーをつけられながらも、「かわいいかわいい」ともてはやしていたからか(?)、ちょっと余裕の表情でした。(写真は、ルカさんじゃなくて、ケージのドアにピントがあっております。。)